- 2022年11月9日
『ボンベイのシャーロック』(インド・ウクライナ)
傷を負った主人公の眼を借りて、植民地時代のインドを活写する歴史小説としての読み応え十分な歴史冒険ミステリー。パールシー(ゾロアスター教徒)だという女性作家のデビュー作で、2021年エドガー賞最優秀新人賞候補作となった…人々の分断を深めたセポイの反乱、地方民族(藩王国)と英国の統治者の間で敵対させられるインド人の姿、パールシー、イスラムなど混在する宗教的背景、カースト、奴隷貿易などが丁寧にこの「冒険行」に織り込まれている…
傷を負った主人公の眼を借りて、植民地時代のインドを活写する歴史小説としての読み応え十分な歴史冒険ミステリー。パールシー(ゾロアスター教徒)だという女性作家のデビュー作で、2021年エドガー賞最優秀新人賞候補作となった…人々の分断を深めたセポイの反乱、地方民族(藩王国)と英国の統治者の間で敵対させられるインド人の姿、パールシー、イスラムなど混在する宗教的背景、カースト、奴隷貿易などが丁寧にこの「冒険行」に織り込まれている…
初のインド発ミステリーを紹介したい。しかも、たった今(2021年4月29日)、本書が、アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長篇賞を受賞したと知らせが届いた…何よりインド人自身が認めたがらない、もしくはないものとしたいインド社会の格差と残酷さを映し出していた…