- 2024年10月6日
『夜明けを探す少女は』(アメリカ・沖縄/日本)
アメリカ発、MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞YA(ヤング・アダルト小説)部門の最終候補作ミステリー…白人警官が黒人を拘束する際の差別的暴力が問題となった「黒人の命も大切だ(BLM/ブラック・ライブズ・マター)運動」を背景に…
ミステリー評論家でもある稲塚由美子(「隣る人」工房)が厳選した世界で出版されているミステリー小説の書評。
ある事件が起こる。その事件の背景には、登場人物たちが生きる社会状況や歴史が色濃く反映している。ミステリーを通して、わたしたちがいま生きる社会(世界)を読み解いていく。
アメリカ発、MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞YA(ヤング・アダルト小説)部門の最終候補作ミステリー…白人警官が黒人を拘束する際の差別的暴力が問題となった「黒人の命も大切だ(BLM/ブラック・ライブズ・マター)運動」を背景に…
オーストラリア発、ベトナム移民に向けられる白人からの差別の根深さゆえに、「差別がないふり」をして生きるしかないベトナム移民社会の人々を活写するミステリー…作者はベトナム移民2世の女性作家で、「1990年代のオーストラリアでアジア人として育つのはどういう感じがするか」をテーマに物語を紡ぐ…
数学者の厳(イエン)良(リアン)を探偵役とする〈推理之王〉シリーズ三部作最終話である。作者・紫(ズー)金(ジン)陳(ジェン)は、中国の東野圭吾と呼ばれているという…今の中国、しかも現政治体制の暗部に踏み込む生々しい社会派サスペンスミステリー…
アメリカ発、1970年代の黒人差別と偏見を描きながら、今も残る黒人差別を問い、また、主人公の白人少年の無意識の差別偏見もきっちり描かれた青春サスペンスミステリー…
スペイン発、80年以上前、ナチスドイツの支援を受けたフランコ反乱側と共和国側との内戦で、地域も家族も分断され、その後沈黙を強いられ続けたスペイン社会を背景にしたサスペンスミステリー。英国推理作家協会最優秀翻訳小説賞受賞作…
中国発、「密室の王」と称される短編ミステリー作家・孫沁(スンチン)文(スンチンウェン)の長編デビュー作である本書は、凝りに凝った「密室トリック」本格謎解き小説だった。しかも、横溝(よこみぞ)正史(よこみぞせいし)(せいし)ばりの、田舎の因習に満ちた一族の物語が背景にあり、非常に心惹かれる…