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ミステリーから世界を読む

  • 2023年10月9日

『ガーナに消えた男』(ガーナ)

ガーナ発、現実にも多発するインターネット詐欺を追う新米女性探偵の活躍を描く冒険ミステリー。2021年アメリカ私立探偵作家クラブ賞新人賞受賞作…ガーナがアフリカにおけるインターネット中心地だと聞いてもピンとこない人は多いと思う。しかし同地は、メールやショッピングサイト経由でのオンライン詐欺多発地である…

  • 2023年8月18日

『軋み』(アイスランド・ルワンダ)

1988年生まれの女性作家エヴァ・ビョルク・アイイスドッティルのデビュー作にして、英語版『The Creak on the Stairs』は2021年度CWA(英国推理作家協会)新人賞を受賞…彼女は子どもの頃にアークラネスに住み、酒浸りのシングルマザーに育てられ、この町を憎んでいたという。何が彼女をアークラネスに舞い戻らせたのか? なぜ殺されなければならなかったのか…

  • 2023年8月18日

『警部ヴィスティング 疑念』(ノルウェー)

ノルウェー発、作者が実際に現役警官だった時代の未解決事件(コールドケース)が下敷きの警察小説ミステリー…過去の事件が冤罪かどうか二転三転する展開と、現在の事件の捜査が並走していく。確固たる証拠とは何か。先入観に囚われていないか…

  • 2023年6月12日

『白夜に沈む死 』上・下(ノルウェー・スウェーデン・フィンランド)

日の沈まない夏の北極圏、北欧三国にまたがり活躍する特殊警察「トナカイ警察」の警察官コンビ、クレメットとニーナが事件を追う辺境警察ミステリー、シリーズ第二作…トナカイと生き、精霊を信仰するサーミの人々は、国策による開発や同化政策を進められ、古い歴史と新しい文明との利害の間、伝統と利権の間で引き裂かれる…

  • 2023年5月31日

『ヴァイオレットだけが知っている』(オーストラリア・イギリス・フランス)

多民族・多文化国家であるオーストラリア発サスペンス・ミステリー。オーストラリア児童図書賞ほか数々の受賞歴がある児童文学者メリーナ・マーケッタが、はじめて一般長篇ミステリーに挑んだ…物語の舞台は、ヨーロッパ随一の移民受け入れ国でありながら、人種差別意識が根強く残るイギリスとフランス。停職中のロンドンの警察官ビッシュは、娘ビーの乗ったバスが爆破されたと連絡を受けた…

  • 2023年4月10日

『真珠湾の冬』(アメリカ・香港・日本)

激動の時代に犯人を追う刑事の執念、スパイ、恋愛、警察小説要素のある歴史ミステリーである…「真珠湾攻撃」の12月8日。その日が歴史的転換点だなんて、庶民には少しもわからなかったかもしれない。けれど、その時そこに自分がいたら、どう思っただろうか…