CATEGORY

ミステリーから世界を読む

  • 2023年8月18日

『軋み』(アイスランド・ルワンダ)

1988年生まれの女性作家エヴァ・ビョルク・アイイスドッティルのデビュー作にして、英語版『The Creak on the Stairs』は2021年度CWA(英国推理作家協会)新人賞を受賞…彼女は子どもの頃にアークラネスに住み、酒浸りのシングルマザーに育てられ、この町を憎んでいたという。何が彼女をアークラネスに舞い戻らせたのか? なぜ殺されなければならなかったのか…

  • 2023年8月18日

『警部ヴィスティング 疑念』(ノルウェー)

ノルウェー発、作者が実際に現役警官だった時代の未解決事件(コールドケース)が下敷きの警察小説ミステリー…過去の事件が冤罪かどうか二転三転する展開と、現在の事件の捜査が並走していく。確固たる証拠とは何か。先入観に囚われていないか…

  • 2023年6月12日

『白夜に沈む死 』上・下(ノルウェー・スウェーデン・フィンランド)

日の沈まない夏の北極圏、北欧三国にまたがり活躍する特殊警察「トナカイ警察」の警察官コンビ、クレメットとニーナが事件を追う辺境警察ミステリー、シリーズ第二作…トナカイと生き、精霊を信仰するサーミの人々は、国策による開発や同化政策を進められ、古い歴史と新しい文明との利害の間、伝統と利権の間で引き裂かれる…

  • 2023年5月31日

『ヴァイオレットだけが知っている』(オーストラリア・イギリス・フランス)

多民族・多文化国家であるオーストラリア発サスペンス・ミステリー。オーストラリア児童図書賞ほか数々の受賞歴がある児童文学者メリーナ・マーケッタが、はじめて一般長篇ミステリーに挑んだ…物語の舞台は、ヨーロッパ随一の移民受け入れ国でありながら、人種差別意識が根強く残るイギリスとフランス。停職中のロンドンの警察官ビッシュは、娘ビーの乗ったバスが爆破されたと連絡を受けた…

  • 2023年4月10日

『真珠湾の冬』(アメリカ・香港・日本)

激動の時代に犯人を追う刑事の執念、スパイ、恋愛、警察小説要素のある歴史ミステリーである…「真珠湾攻撃」の12月8日。その日が歴史的転換点だなんて、庶民には少しもわからなかったかもしれない。けれど、その時そこに自分がいたら、どう思っただろうか…

  • 2023年2月6日

『ローズ・コード』(イギリス)

ケイト・クインは…戦時の史実が忠実に織りこまれた臨場感あふれる壮大な歴史サスペンス・ミステリーを書き続ける…物語の舞台は、第二次世界大戦下のイギリス。社交界の令嬢オスラは国に召喚され、ブレッチリー・パークのドイツの暗号解読に挑む秘密施設にたどり着く…