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ミステリーから世界を読む

  • 2023年4月10日

『真珠湾の冬』(アメリカ・香港・日本)

激動の時代に犯人を追う刑事の執念、スパイ、恋愛、警察小説要素のある歴史ミステリーである…「真珠湾攻撃」の12月8日。その日が歴史的転換点だなんて、庶民には少しもわからなかったかもしれない。けれど、その時そこに自分がいたら、どう思っただろうか…

  • 2023年2月6日

『ローズ・コード』(イギリス)

ケイト・クインは…戦時の史実が忠実に織りこまれた臨場感あふれる壮大な歴史サスペンス・ミステリーを書き続ける…物語の舞台は、第二次世界大戦下のイギリス。社交界の令嬢オスラは国に召喚され、ブレッチリー・パークのドイツの暗号解読に挑む秘密施設にたどり着く…

  • 2022年12月5日

『窓辺の愛書家』(イギリス)

本書は、2020年MWA賞最優秀長編賞を受賞した『見知らぬ人』の続編で、素人探偵3人の捜査行に、海辺の街やスコットランドのブックフェアの様子が実に生き生きと織りこまれていて楽しい…現代イギリスの多様性社会を反映したような登場人物が、生き生きと謎解きに関わって活躍する本格謎解きミステリーである…

  • 2022年11月9日

『ボンベイのシャーロック』(インド・ウクライナ)

傷を負った主人公の眼を借りて、植民地時代のインドを活写する歴史小説としての読み応え十分な歴史冒険ミステリー。パールシー(ゾロアスター教徒)だという女性作家のデビュー作で、2021年エドガー賞最優秀新人賞候補作となった…人々の分断を深めたセポイの反乱、地方民族(藩王国)と英国の統治者の間で敵対させられるインド人の姿、パールシー、イスラムなど混在する宗教的背景、カースト、奴隷貿易などが丁寧にこの「冒険行」に織り込まれている…

  • 2022年10月7日

『偽りの眼』上・下(アメリカ)

舞台はジョージア州アトランタ。物語の主人公リー・コリアーは、大手弁護士事務所所属の弁護士である…明らかに猟奇的なレイプ犯を弁護し、被害女性たちを貶(おとし)めて無罪を勝ち取らなければ、リーはすべてを失うことになる…