★『マニラ戦』:「女性たちだけが”ベイビューホテル”に連れて行かれたんです」~イサベル・カロ・ウィルソンさんの記憶・証言 / ムービー
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性暴力、性被害の証言を聴くことは特に難しい、といいます。その記憶を心の奥底から引き出すことによる苦痛は耐えがたいものであり、また、それはスティグマともなる可能性もあって告発することさえ簡単なことではないのです。
語りのなかで、イサベルさんは「幸運にも自分は被害をまぬがれたので大きな痛手は受けていない」と話しておられますが、当時、現場にいて、いつ、どうなるのかわからないという状況に置かれていたというだけでも、その恐怖はトラウマとなっているに違いない、と想像します。
イサベル・カロ・ウィルソンさんにお話を聴かせていただいたのは戦後74年目のことです。記憶が定かでないところもあるでしょうし、また、イサベルさんは、元駐スペイン・フィリピン大使でもあった方ですので、様々なことを考慮して、話せること、話せないことを取捨選択しながらのお話だったと思います。
イサベルさんにとって、日本人であり、男性でもある私に「ベイビューホテル事件」のことを語ることは、本当は複雑な思いがあり簡単なことではなかったと思っています。直接、お話しいただけたことに心より感謝しています。
刀川和也(「隣る人」工房)
●収録日:2019年2月19日
●収録場所:イサベル・カロ・ウィルソンさん ご自宅にて
●コーディネート:ジーナ・ウマリ(フィリピン大学ディリマン校・教授)
●インタビュアー:刀川和也(「隣る人」工房)
制作:「隣る人」工房
※「ベイビューホテル事件」とは、1945年2月3日~3月3日、日米両軍で戦われた「マニラ戦」の最中、旧日本軍が当時フィリピンのエリート層が数多く居住していたマニラ・エルミタ地区の女性たち数百人をベイビューホテルに監禁し、日本兵が繰り返し女性たちをレイプした事件。その被害者たちには、アメリカ、イギリス、スペイン等、欧米諸国の女性たちも含まれている。米軍は戦闘終結直後から、日本軍の戦争犯罪の調査を徹底して行っており、レイプ事件という証言を得るのが難しい事件だったが、詳細な証言記録が米軍には残されている。
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