戦後80年、8月15日発売の「記憶の継承~おばあちゃんの戦争体験~」DVD『母を恋う 向井承子』を企画・制作した。We誌連載『「記憶」のなかの戦後史』(現在は『八十路雑感』を連載中)執筆者のノンフィクション作家・向井承子さんその人の語りである。

1939年生まれの向井さんは、2022年にロシアによるウクライナ侵攻が始まった時、小学校に招かれ、子どもたちの前で戦争体験を語ったことがある。子どもたちは真剣に聴いてくれ、何かを受け取ってくれたように感じたという。

(のこ)さなくては失われてしまうと思った。1945年4月13日の城北大空襲、空襲の東京を母と共に逃げまどう。それまでの向井さんは、他の多くの子どもたちと同じように「軍国少女」だった。誰からも何も教えられず、ただ世間の空気をそのまま身の内に取り込んでいた。そして敗戦後、北海道への疎開、()え、兄の死、「若木に絡みつき養分を吸い取られるような」気がしたという母との確執…向井さんは、母の記録と共に「戦争の記憶」を遺す最後の世代として「記憶の継承~おばあちゃんの戦争体験」を「自分の言葉」で語る。

未来の若者への伝言として、学校の図書館や公立図書館にリクエストしていただけたらいいなと思っている。

稲塚 由美子(「隣る人」工房)

→ 作品詳細・お問合せ・お申込みはここをクリック

本作ダイジェスト映像(7分25秒)

⇒ 本作鑑賞された方々の感想はここをクリック

ハートネットTV 戦後80年「生死を分かつ“塀” ~精神障害者たちの戦争~」
■本放送:2025年8月25日(月)20:00~20:29 Eテレ
■再放送:2025年9月2日(火)00:30~00:59 ㈪深夜 Eテレ

以下、向井さんの言葉から
~ ~ ~ ~ ~
「戦後80年 生死を分かつ塀~精神障害者の戦争」 
あの戦争時、社会から「無用」とされた存在は、どう扱われていったのか。
すべての国民が、被害者・被災者に追い込まれた時代の底で、「精神障害者」たちをさらに「社会」から隔て、死に追いやった「塀」とは---。
たまたま、その事実に縁のあった幼い私の記憶の断片を通して、
当時の「事実」を探ります。
NHKの「戦後80年企画」の一環だそうです。

~ ~ ~ ~ ~

⇒番組サイトへのリンクはこちら