AUTHOR

「隣る人」工房

  • 2022年3月22日

『ブート・バザールの少年探偵』(インド)

初のインド発ミステリーを紹介したい。しかも、たった今(2021年4月29日)、本書が、アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長篇賞を受賞したと知らせが届いた…何よりインド人自身が認めたがらない、もしくはないものとしたいインド社会の格差と残酷さを映し出していた…

  • 2022年3月22日

『マイ・シスター、シリアルキラー』(ナイジェリア)

アフリカ発サイコ・スリラー・ミステリー。ナイジェリア生まれの女性作家の長篇第一作で、世界的なミステリー文学賞であるアンソニー賞最優秀新人賞を受賞…。連続殺人犯の妹は、男権社会そのままのひどい父親による幼児体験のなれの果て。繰り返される殺人と、それをごまかす姉との共依存関係と葛藤、機能不全家族が抱える闇、暴力の記憶と連鎖、ジェンダー不平等…負にまみれた人生を姉妹共に生き抜き、愛憎劇を繰り広げながらも…

  • 2022年11月12日

コロナ禍でのCPAO「ホットミール・プロジェクト」/インタビュー/スライド/ラジオ(日本/大阪)

2020年2月末、コロナウィルスの感染が拡大する中、NPO法人CPAO(しーぱお)は、それまでオープンしてきた子どもたちの「居場所」の活動を一旦休止し、手作りの「あったかい弁当」を直接家庭に届ける「ホットミール・プロジェクト」を始める…CPAO代表の徳丸ゆき子さん、事務局長の兼松徹さんにインタビュー。

  • 2022年3月22日

『白が5なら、黒は3』(アメリカ)

BLM(ブラック・ライブズ・マター)運動で揺れたアメリカの新鋭作家デビュー作。根深い人種差別と、抑圧される人々の怨嗟を描き出した犯罪小説サスペンス・ミステリーである… 本書の原題は「五分の三」。二百年以上も前のアメリカ合衆国憲法で、黒人は白人の五分の三の価値しかないと定められていた歴史の数字だ。この条項は既に廃止されているが、今なおアメリカ社会では、人種差別と白人至上主義が根強く残る…

  • 2022年3月22日

『ザリガニの鳴くところ』(アメリカ)

本書は、アメリカの野生動物学者で湿地の保護活動を続けているディーリア・オーエンズが69歳で書いた、文学ミステリーデビュー作。アメリカ南部の「大西洋の墓場」と呼ばれた湿地帯の活写が、リアルでみずみずしい。2019年全米ベストセラー第一位。…本書は、階級や人種、とりわけ白人貧困層の問題に切り込み、格差が広がるアメリカ社会の病理も描き込む。湿地が無残に破壊されるシーンも何度か登場する、差別や環境問題をテーマにした社会派小説でもある…