- 2022年4月11日
『アリスが語らないことは』(アメリカ)
2019年度「このミステリがすごい!」(宝島社)で2位となった『そしてミランダを殺す』の作者、ピーター・スワンソンの新作。何が真実で、誰が嘘つきか、緊迫感あふれる心理サスペンス・ミステリーの傑作…人は、見たくないものは「ない」ものとして生きることがある。時には自分に対しても嘘をつく。それも過酷な人生を生き延びるためのぎりぎりのサバイバル術…
2019年度「このミステリがすごい!」(宝島社)で2位となった『そしてミランダを殺す』の作者、ピーター・スワンソンの新作。何が真実で、誰が嘘つきか、緊迫感あふれる心理サスペンス・ミステリーの傑作…人は、見たくないものは「ない」ものとして生きることがある。時には自分に対しても嘘をつく。それも過酷な人生を生き延びるためのぎりぎりのサバイバル術…
イギリス発、2020年英国推理作家協会(CWA)賞ゴールド・ダガー賞候補作の本書は、アガサ・クリスティの名作『そして誰もいなくなった』を想起させる趣向の心理サスペンスミステリー…暴風雨に閉ざされた島での群像劇を、時系列を交錯させ巧みに描き、ラスト、過去の悪行がすべて顕(あら)わになり、すべての伏線がきれいにつながって…
…自由主義体制と権威主義体制の狭間にあるウクライナ…プーチン露大統領がウクライナに軍事進攻、いや侵略…。爆撃にさらされるキエフの友人オルガさんとのSNSでのやりとり…「外に出かけない」「怖い」「泣いています」「死にたくない」…
事件は、完璧な秋の日にとつぜん起こる。ある幸せそうな一家が何者かに銃撃されたのだ。13歳の次女ローラと8歳の長男マニー、母親とその恋人は、一瞬にして命を奪われた…始まりはロクシーが11歳の時、妹のローラは8歳で、弟マニーは4歳。それぞれの父親は異なり、マニーの父ヘクターは母と大喧嘩(おおげんか)して出て行った。その後、母は泣くか酔っぱらうかで、まったく子どもたちの世話をしなくなった。ネグレクトで通報され、母から引き離され、姉妹は同じ里親マザー・デルの元に、弟は別の里親に預けられた…
1941年9月29日、キエフを占領したナチス・ドイツが、市内のユダヤ人全員を集め、衣服を脱がし、バビ・ヤール渓谷まで歩かせて一斉に銃殺した…ソ連の捕虜やシンティ・ロマの人々、ウクライナ民族主義者も銃殺され、43年、ソ連がキエフを占領するまでに、10万人にもの人々が殺害された…
華(か)文(ぶん)ミステリーが隆盛な中国発、危うい思春期の少年たちの冒険サスペンスミステリーである。本国では、本書を原作としたドラマがネット配信され、十億回再生されたという…大人たちのモラルが消失した社会で、その不条理に翻弄される子どもたちにどうやって生きろというのだ。弱い者は食い物にされるか、食い物にするかしかない…