- 2022年4月11日
『アリスが語らないことは』(アメリカ)
2019年度「このミステリがすごい!」(宝島社)で2位となった『そしてミランダを殺す』の作者、ピーター・スワンソンの新作。何が真実で、誰が嘘つきか、緊迫感あふれる心理サスペンス・ミステリーの傑作…人は、見たくないものは「ない」ものとして生きることがある。時には自分に対しても嘘をつく。それも過酷な人生を生き延びるためのぎりぎりのサバイバル術…
2019年度「このミステリがすごい!」(宝島社)で2位となった『そしてミランダを殺す』の作者、ピーター・スワンソンの新作。何が真実で、誰が嘘つきか、緊迫感あふれる心理サスペンス・ミステリーの傑作…人は、見たくないものは「ない」ものとして生きることがある。時には自分に対しても嘘をつく。それも過酷な人生を生き延びるためのぎりぎりのサバイバル術…
イギリス発、2020年英国推理作家協会(CWA)賞ゴールド・ダガー賞候補作の本書は、アガサ・クリスティの名作『そして誰もいなくなった』を想起させる趣向の心理サスペンスミステリー…暴風雨に閉ざされた島での群像劇を、時系列を交錯させ巧みに描き、ラスト、過去の悪行がすべて顕(あら)わになり、すべての伏線がきれいにつながって…
事件は、完璧な秋の日にとつぜん起こる。ある幸せそうな一家が何者かに銃撃されたのだ。13歳の次女ローラと8歳の長男マニー、母親とその恋人は、一瞬にして命を奪われた…始まりはロクシーが11歳の時、妹のローラは8歳で、弟マニーは4歳。それぞれの父親は異なり、マニーの父ヘクターは母と大喧嘩(おおげんか)して出て行った。その後、母は泣くか酔っぱらうかで、まったく子どもたちの世話をしなくなった。ネグレクトで通報され、母から引き離され、姉妹は同じ里親マザー・デルの元に、弟は別の里親に預けられた…
華(か)文(ぶん)ミステリーが隆盛な中国発、危うい思春期の少年たちの冒険サスペンスミステリーである。本国では、本書を原作としたドラマがネット配信され、十億回再生されたという…大人たちのモラルが消失した社会で、その不条理に翻弄される子どもたちにどうやって生きろというのだ。弱い者は食い物にされるか、食い物にするかしかない…
本書は、前作「戦場のアリス」(「ふぇみん紙」2019年7月25日号掲載)と同様、史実を忠実に織り込んだために生まれる臨場感が半端ではない壮大な歴史小説ミステリー…第二次大戦中、ナチスドイツ占領下のポーランドに「女(ハント)狩人(レス)」と呼ばれた殺人者がいた。森で人を狩り、ユダヤ人の子どもや兵士を殺した冷酷な親衛隊将校の愛人。戦争が終わり、「ニュルンベルク裁判」で、数百万人の殺害が暴かれる陰で、彼女は姿をくらまし…戦争に翻弄(ほんろう)された登場人物たちの過去と現在の物語が、最後に一つに収斂(しゅうれん)していく…
密告と粛清が横行し、誰も信じられないスターリン独裁期のソ連を舞台にした警察小説歴史ミステリー。人肉食まであったという悲惨なレニングラード包囲戦(現在のサンクトペテルブルク1941年9月~1944年1月/872日間)を背景に起こる8年後の事件が発端の、心震える物語…作中、通奏低音として常に音楽がある。包囲戦の中でショスタコーヴィチが「レニングラード交響曲第7番」を作曲し、それが社会的背景でも事件そのものでも大きな意味をもつことになる…