「隣る人」工房

遺(のこ)す・隣(とな)る・創(つく)る

「隣る」人たちの肖像

人と寄り添い、寄り合い、ほどよい距離感で新たな関係を模索し紡いでいこうとする人たち。

「私」「戦争」

個人の経験に根ざした「私」の「戦争」の記憶…その語り。

そっと…そこに、いる。そして…

誰もひとりでは生きられない。分断ではなく、境界を越えて「隣る人」でありたい。

創る

いまを掴む言葉を求め、さまざまな手段で表現する方法を探求する。

  • 2023年2月6日

『ローズ・コード』(イギリス)

ケイト・クインは…戦時の史実が忠実に織りこまれた臨場感あふれる壮大な歴史サスペンス・ミステリーを書き続ける…物語の舞台は、第二次世界大戦下のイギリス。社交界の令嬢オスラは国に召喚され、ブレッチリー・パークのドイツの暗号解読に挑む秘密施設にたどり着く…

  • 2022年12月5日

『窓辺の愛書家』(イギリス)

本書は、2020年MWA賞最優秀長編賞を受賞した『見知らぬ人』の続編で、素人探偵3人の捜査行に、海辺の街やスコットランドのブックフェアの様子が実に生き生きと織りこまれていて楽しい…現代イギリスの多様性社会を反映したような登場人物が、生き生きと謎解きに関わって活躍する本格謎解きミステリーである…

  • 2022年11月9日

『ボンベイのシャーロック』(インド・ウクライナ)

傷を負った主人公の眼を借りて、植民地時代のインドを活写する歴史小説としての読み応え十分な歴史冒険ミステリー。パールシー(ゾロアスター教徒)だという女性作家のデビュー作で、2021年エドガー賞最優秀新人賞候補作となった…人々の分断を深めたセポイの反乱、地方民族(藩王国)と英国の統治者の間で敵対させられるインド人の姿、パールシー、イスラムなど混在する宗教的背景、カースト、奴隷貿易などが丁寧にこの「冒険行」に織り込まれている…

  • 2022年11月12日

バカって言うひとがバカなんだよ(日本/埼玉)

「光の子どもの家」の職員さんたちの日頃の言動の中に、「本当にこれでよかったのか」といつも悩む言葉がある。距離が近ければ近いほど、「こうでしょ」「どうしてこうできないの」とエスカレートしていき、本人のためだという言い訳も頭をよぎる。怒りもする。時にはバトルも繰り広げる…それでも、だ。もしや自分は間違っていなかったか、といつも反省を忘れない。卒園生に対しても、「聴く姿勢」を忘れない。何があっても断罪しない…